静かな時間 読書 vol.3 『女ふたり、暮らしています。』

『女ふたり、暮らしています。』 著:キム・ハナ/ファン・ソヌ 訳:清水知佐子

 1人暮らしを十分に満喫したころ、そろそろと感じだす孤独や不安。そんなものを解消し、よりよい人生を送りたい。と決めた2人。この本は親友2人が一緒にローンを組みマンションを購入し、それぞれが飼っている2匹の猫を連れ、一緒に暮らしていく出来事を中心に書かれたエッセイです。(2人はこれを分子記号に例えてW2C4女2猫4と呼んでいます。)

暮らしを共にできる程に相性が合い、気が合い、信頼・尊敬できる相手が見つかったからこそできることだけれど、実際一緒に暮らしてみると、思ったようにはいかないことも。そんな喧嘩や、もめ事の原因やきっかけは、どこも同じ。それでも親友同士の2人は“女だから”“男だから”“結婚しているから”“家族だから”などそんな枠にとらわれず、それぞれが暮らしやすい毎日を作っていく様子は読んでいてとても気持ちがいいものでした。部屋・インテリアや猫の写真は可愛いく、“こうしなければならない”という息苦しさとは全く正反対な、日当たりが良く、風通しもよさそうな感じ。作者の2人とは同世代ということもあり、とても共感できる内容で今の私でも十分楽しめる本ですが、まさに上記の帯通り、20代の自分にも読ませたい本でした。

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